健康診断で気になる検査値
〜肝臓の数値について〜
季節は秋になり、健康診断が実施される会社も多いのではないでしょうか?
病気の早期発見のために受ける健康診断ですが、診断結果〜たとえば血液検査の結果を見ても、ただ数字が並んでいるだけで、何がどの病気に関わっているのかよくわからなかったりしますよね?
とくに肝臓は体内でとても重要な役割をしている臓器ですが、病気になっても自覚症状のないまま進行するため、気づいた時には手遅れに…。そのため肝臓は『沈黙の臓器』とも呼ばれています。
そこで今回は、血液検査でわかる肝臓の状態を表す数値について紹介したいと思います。
※記載されている基準値について
基準値というのは、『健康な人の95%があてはまる数値』のことをいいます。
基準値からはずれているからといって、必ずしも病気であるとは限りません。
検査の方法や種類、医療施設によっても多少の誤差はありますし、文献によっても数値は
若干異なります。あくまでも参考にしてもらい、もし検査結果が基準値からはずれたとしても、病気だと自己判断せずに、まずは医師に相談しましょう。
◆ ALT(GPT)、AST(GOT)
基準値:ALT=4〜44 IU/L AST=8〜38 IU/L
ALTとASTは、どちらも肝細胞内に多く存在する酵素で、体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝において重要な働きをしています。
何らかの異常で肝細胞が破壊されると、肝細胞内のALTとASTが血液中に漏れ出し、数値が高くなります。このことから、これらの数値は肝臓の障害の程度を知る指標となります。
代表的な病気としては、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、肝硬変などがあります。ただし、ASTは肝細胞以外にも心筋や、骨格筋にも多く存在しているため、ASTの数値だけが高い場合は心筋梗塞や筋ジストロフィーなど筋肉の病気も考えられます。
◆ γ(ガンマ)−GTP
基準値:16〜73 IU/L
γーGTPは、肝臓や腎臓などでつくられる酵素で、タンパク質を分解・合成する働きをしています。γーGTPは、肝臓のなかでも毛細胆管や胆管上皮というところに多く存在します。
色々な原因(@お酒の飲みすぎ、A結石やがんなどにより胆道がつまった)で肝臓が破壊されたときに血液中に漏れ出し、数値が高くなります。 また、アルコールの過剰摂取を繰り返すと、高い数値がでやすいという特徴もあるためアルコールによる肝障害の指標にもなります。
代表的な病気としては、胆道閉塞、肝細胞がん、急性・慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害などがあります。
◆ ALP
基準値:104〜338 IU/L
ALPは、リン酸化合物(乳製品、レバーなどに多く含まれる物質)を分解する酵素のことで、さまざまな臓器・細胞でつくられています。
とくに肝臓や骨には多く存在しますが、胆汁の流れが悪くなったり、何かの病気などで骨から漏れ出すと、血液中のALPの数値が高くなります。
このことから、ALPは胆道の病気、とくに黄疸をきたすものに対して重要な指標となります。また、ALPは骨でもつくられていることから、成長期の子供や骨の病気などでも高くなります。
代表的な病気としては、くる病、骨軟化症、閉塞性黄疸、急性・慢性肝炎、肝硬変が考えられます。
H23.10.6 掲載
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